金色の野に降り立つべし。
風の谷のナウシカのフレーズです。
心理学者のフランクルは「態度価値」と言う概念を提唱しています。
自分に与えられた運命に対してどの様な態度を取るかで実現される価値のことです。
風の谷のナウシカのストーリーには、ナウシカ対虚無と言う構造の中で、「態度価値」について言及しているような気がします。
腐海の世界に生きる人々を呪われた種族と知りつつ、また、戦争・宗教・不治の病などあらゆる不安・苦悩・絶望を抱えて生きる。
それでも、闇の中の光を信じて進むナウシカ。
ヴ王がナウシカに向かって言った「破壊と慈悲の混沌だっ!」というセリフはナウシカを非常にうまく表現していると思うし、絶対矛盾の自己を内包している人類をも表現していると思います。
一見すると、「環境問題と人類」をテーマにしている物語にも見えますが、
俺は、「自己に内在する矛盾」、「人類とは」をテーマにしているのではないかと思います。
短絡的な考えかもしれませんが、シュワの墓所の主は「現代社会的通念によるところの正義」と
も考えられ、もっと言うと、「押し付けがましい理想」であると思ってしまいます。
(俺はひねくれ者なのか・・・?)
それは人類が内包する光の部分ではありますが、同時に人類は理想では語れない闇も抱えています。
シュワの墓所は闇を切り捨て、光だけの世界を目指すために知と技を保存しました。
生命という意思を持った存在には、善と悪の二元論ではまかない切れない矛盾があり、だからこそ生命は存在し得るのだ。
とナウシカは言っているように思える。
現代社会はデジタル社会、理論社会になってしまい、その矛盾に対して寛容性が失われてきたと思う。
「個にして全、全にして個」
と言う王蟲の言葉。
どれだけ闇の部分が多くなっても、態度価値を実現して生きたいものです。。。